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瞬瞬必生 〜令和に生まれた四字熟語〜

世の中に四字熟語はたくさんありますが、新しい四字熟語が生まれたという話はなかなか聞きません。

そんな中、令和になってから生まれた四字熟語があります。

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それが「瞬瞬必生」です。

それは仮面ライダーからはじまった

令和元年の夏、「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer」が公開されました。

最後の平成ライダー映画ということで期待されていた一作でしたが、いざ公開されるとそんな期待の遥か斜め上を行く内容に驚愕の声が続出。


そして視聴後、人々は口を揃えたのです。

「平成仮面ライダー瞬瞬必生の歴史だった」

と。

由来

この四字熟語は、主人公の常磐ソウゴが平成という時代そのものを否定する敵に対して放った言葉を略したものです。


その敵はこう主張します。

平成はデコボコの道のようだ。
仮面ライダーも、世界観が統一されていた昭和に対して、作品ごとにバラバラで統一感のない平成ライダーの歴史は醜くないか。

と。


それに対する反論が、

バラバラの歴史は、みんな*1間を死にきてきた結果であり、醜くなんかない!

というものでした。


この「瞬間瞬間を必死に生きている」というセリフが多くの人の心を打ち、やがて略されて瞬瞬必生と呼ばれるに至ったのです。

仮面ライダーの「瞬瞬必生」

平成に限らず仮面ライダーは、時代に合わせて変化してきたヒーローです。

例えば初代ライダーでは、撮影中のアクシデントや視聴者の要望に対応するため、さまざまな工夫を取り入れました。

その結果、ダブルライダーの活躍を魅力的に描くようになったり、暗闇でも目立つように仮面の色を明るくしたりと、仮面ライダーという番組がしだいに磨かれていったのです。


平成になると、移り変わりの早い時代に取り残されないよう、そしてよりダイナミックにするため、毎年世界観をリセットして新作を作るようになりました。

加えて同じ作品の中でも、毎週の放送という瞬間瞬間、視聴者の心を掴み続けるための必死の努力を忘れません。

そのために物語を当初の予定からガラリと変えてしまうこともあり、結果として後から考えると設定が矛盾していたりノリで押し切ったようなシーンが時には生まれます。


しかしその思い切った舵取りによって令和まで続いてきたのが仮面ライダーです。

そんなバラバラで少しいびつなライダーの歴史を一言で表したのが、「瞬瞬必生」だったのです。

平成から令和へ

平成から令和に向かうこの数年で、本や映像、音楽といった文化はバリエーションが広がり、一段とさまざまな個性で溢れかえるようになりました。

それに伴って、比べられたり粗を探されたりすることが増えた時代でもあります。

でも、ひとつひとつの個性が誰かの瞬瞬必生の結果生まれたものだと思えば、大切なものに思えてきませんか?


この四字熟語は、新時代・令和に向けてそんなことを伝えているのではないかと思います。

*1:平成ライダーシリーズの登場人物だけでなく、それらを製作したスタッフ達のこととも取れる